【上司必見】「やる気がない部下」への対処法(前編)

どうも、こんにちは、職場プレス編集長の石川です。

「やる気がない部下・後輩」を抱えていませんか?

・何を考えているのか分からない

・全力で仕事に取り組んでいない

・指示をしたのに言うことを聞かない

・そのくせ権利だけは主張する

少し強めに指導をするとすぐに「パワハラだ」と騒ぎ出す始末。

いい加減うんざりしていますよね。

今回はそんな「やる気がない部下」に対してどのように対応すべきかを前編・後編に分けて解説していきます。

今回の前編では「そもそも部下は何を考えているのか」、後編では「具体的な接し方」を解説していきます。

何も考えていないような部下ですが、腹の中では色々考えているものです。

あなたに対して「上司は分かってくれない」という思いを、感じている可能性があります。

「あいつは、やる気がない」と決めつけるよりも、部下を理解することで、部下のモチベーションを上げることができるようになりますよ。

1.「やる気がない部下」が感じてることは?

最初から無気力で「やる気がない部下」というのは案外と少ないものです。

部下自身が経験を重ねる中で何かが嫌で無気力になってしまった、というケースが多くあります。

それでは無気力の原因が何かを探っていきましょう。

1−1.人間関係がいや

「仕事がいや」な理由の第一位がこれです。

「人間関係がいや」=「上司がいや」ということが多いです。

つまり、あなたは部下から嫌がられている可能性があります。

別に「あながた悪い」と言っているわけではありませんが、部下にとってあなたは「萎縮してしまう存在」ということです。

この理由の場合、接し方を変えるだけで劇的に部下が仕事をするようになります。

1−2.業務内容がいや

これも鉄板の理由です。「自分が本当にやりたいことはコレジャナイ」というやつです。

「なにを甘えているのやら」という感じですね。

それなのに、具体的にやりたいことを聞くと「今のままじゃダメだと思うんです」「ワクワクすることがやりたいです」と不明瞭な返答があります。

「どうすればいいんだ?」と頭を抱えてしまいますよね。

けれども、このタイプには、仕事の楽しみ方や仕事の意義を伝えることで改善する余地があります。

1−3.会社がいや

やる気がない理由には、そもそも会社の雰囲気・社風が嫌い、というのもあります。

・ブラック企業だ

・体育会系のノリが嫌だ

・色々やれると思って入社したのに、自分の意見が全く反映されない

・もっと大きな仕事をやりたいのに任せてもらえない

など。

これは、個別の理由により改善の余地が変わってくるのですが、中期的に見ると転職に目を向けてもらった方が、会社にとっても本人にとっても幸せになる場合が多々あります。

1−4.働きたくない(番外編)

論外ですが、ズバリ「働きたくない」という理由があります。

「生活のためだから」「仕事なんて適当にやってればいい」などと言って、逃げの姿勢の一点張りです。

「親から言われたから今の仕事をしている」なんていう理由も聞いたことがあります。

このタイプは他の理由と比べて、やる気を高めるのが厄介なので、後編でお伝えする手法を丁寧に実践してください。

ただし、このタイプの部下に時間を使うよりも他のことをした方が生産的、という場合もあるので悩ましいところではあります。

2.「上司の言うことを聞かない部下」の特徴とは?

言うことを聞かない部下は、どの職場にも存在します。

厄介な相手ですが、頭ごなしに指示を出したり、感情的に接して指示に従う可能性は極めて低いです。

そのため、まずは「なぜ言うことを聞かないのか?」を知りましょう。

2−1.評価されていない

承認欲求が満たされていない部下は言うことを聞かない傾向があります。

・自分の仕事ぶりに対して、待遇が悪い

・こんなに頑張っているのに褒めてもらえない

「成果を出していない」「会社が求める仕事の水準に達していない」など本人に理由があるのですが、それに気づいていないものです。

けれど「評価をされていない」を理由に「言うこと聞いたってどうせダメだ」とすねている可能性があります。

このようなタイプには、承認欲求を満たすために、何かしら良い点を探して認めてあげましょう。

ただし、改善点も伝える必要があるので「Yes,and〜」の手法を使いましょう。

「Yes,and〜」については無料音声講座「やる気構築レッスン本編5話」をご参照ください。

ちなみに「すねるな、働け」と言いたい気持ちはグッと抑えましょう。私はググッとこらえています。

2−2.聞くに値しないと思っている〜上司の苦労に対する想像力不足〜

上司は自分よりも劣っている、そう感じると部下は言うことを聞かなくなります。

高校生が先生を舐めている、という感じでしょうか。

部下は上司への評価を、自分から見えている範囲だけで判断します。

自分が見えていない部分を想像できないのに「上司は仕事をしない」と感じている。

まったく始末に負えません。

いずれ、部下自身も役職が上がるにつれて、今の自分の言動を反省する時が来るとは思いますが、それを待っている暇はありません。

そのため、このタイプには、あなたの「やってる感」を見せるように演出しましょう。

あなた自身は当たり前のことをやっているだけなのに、いちいち「やっている感」を出すのは無粋な気がしますが、部下にあなたの能力を見せることは有効な手段です。

2−3.業務内容が「上司の自己保身のため」に見えてしまう

あなた自身の言動を振り返ってもらいたいのですが、「自己保身」を軸に仕事をしていませんか。

部下に指示する業務が、あなたの自己保身を目的にしていると部下はやる気を失っていきます。

もちろん、「ミスをカバーするための業務」は発生します。

その場合は、部下に対して率直に「助けてほしい」と伝えながら業務指示を出すようにしましょう。

「上司から頼られている」と感じた部下が言うことを聞く可能性は高いです。

それとは逆に、本来の理由を隠して、さも意味があるのだ、と言わんばかりに指示を出すと部下は敏感にそれを感じるので注意しましょう。

2−4.やらされ感がすごい〜「私の話は聞いてくれないのに指示ばかりしてくる」

部下は「自分の言うことに耳を傾けてくれる上司の指示に従う」という特徴があります。

「耳を傾ける」とは、

・言うことに対して頭ごなしに否定しない

・やることを受け入れてくれる

ということです。

もちろん、全てを部下の思い通りにやらせる、という意味ではありません。

至らない点は指摘する必要がありますが、基本姿勢は「傾聴」です。

部下が指示に従わない、と感じたら「自分は部下の話を聞いているか」を振り返りましょう。

3.やる気がない部下が、上司に期待していることは?

あなたと部下は、スムーズに意思疎通ができていますか?

もし、ギクシャクしているようなら、「部下とあなたの仕事観の違い」が理由です。

つまり、あなたと部下、それぞれが考える「仕事の前提」が違う、ということです。

そして、意外なことに、あなたは部下から期待を受けています。

その期待に応えていないために、がっかりして「言うことを聞かない」という行動につながります。

「期待に応えていない」と言ってもあなたが悪い、というわけではありません。

だって勝手に期待しているわけですから。

しかし、「どんな期待をしているか」を把握する必要はあります。

ということで、ここからは、あなたと部下の仕事観の違いについて解説します。

3−1.言行一致

あなたは、仕事で成果を出すために絶えず新しい情報に触れ、自己研鑽に励んでいると思います。(だからこの記事を読んでくれているのだと思います。もし、励んでなければ励んでください。)

そのため、

・新しい知識や経験を業務に取り込み、これまでと違ったやり方をする

・自分の間違いを見つけたらすぐに改善することに全く抵抗がない

ですよね。

一方で、部下は上司の言ったことに対応するだけ精一杯になりがちです。

出来るだけ資料の修正はしたくないし、負担がある仕事はしたくない、と考えています。

なぜなら、部下というものは、上司よりも業務知識や経験が劣っているので、あなたにとっては「時間がかからない簡単な仕事」でも、部下は「時間がかかる大変な仕事」と感じています。

そのため、あなたが新しいことを言うと、部下は「言ってることが前と違う!」と感じます。

あなたからすると、これまでの業務の流れを加味して指示をしているつもりでも、部下からは「また、上司が突拍子もないことを言い出した!」という印象を受けています。

そのような状況を避けるためには、少し面倒ですが「業務の指示の理由や背景」を説明してあげましょう。

正直、「そんなことは言われずとも察しろ」と思うでしょう(私も思います)が、部下のやる気を下げないためには必要なコストだと割り切っていきましょう。

3−2.やって当たり前〜高い給料をもらっているんだから働け〜

部下が上司に抱いているのは「高い給料もらっているんだから、仕事してくれよ」という思いです。

部下から見えるあなたは

「自分より役職が上」

「自分より権限がある」

「自分より高い給料」

「自分より経験がある」

だから、「もっと仕事をすべきだ」というのが基本姿勢です。

一方で、役職が上がってもあなた自身は「仕事が多過ぎる」「そのわりに給料は低い」「上司が無理難題を言ってくる」「頻発するトラブル対応がしんどい」など苦労の連続です。

部下からは「上司はスーパーマンであってほしい」という期待を背負わされるのですが、実際には「俺、ただの人なんだ」という状況です。

この前提の違いは、お互いのイライラを募らせることになります。

そして、部下からの思いが変わることはないので、「部下がそう感じている」ということをあなたが理解して、せめてあなた側のイライラは鎮めていきましょう。

悲しいことですが、このギャップが埋まることはありません。

3−3.正しく指導してほしい

あなたに対する部下の目はとても厳しい、その一方で、部下は「仕事がしやすいように、かつ自分が成長できるように」指導してもらいたいと期待しています。

しかも、やる気が上がるような接し方で。

以前は、業務の考え方・知識・スキルは、周りを見ながら、時には先輩や上司に怒鳴られながら経験を重ねて、獲得していく方法が主流でした。

しかし、現在は人材育成の重要性が説かれて、しっかりと教育することが求められます。

教え方も教わり方も分からないのに、的確な指導を会社からも部下からも求められる、という困難な状況の中にあなたはいます。

その上、コンプライアンスが叫ばれるため、少しでも部下の意図にそわないと「パワハラ!」と騒がれてしまう。

しんどいでしょうが、それが現実です。

部下とは、全く身勝手なものです。

じゃあ、どうすればいいのか?

その答えは、後編をご覧ください。

3−4.そして、守ってほしい

あなたを見る目は厳しい、しかも、強く当たらない方法で接しながら正しく指導してほしい。

その上、トラブルがあった時は「守ってほしい」

そう思うのが、部下。

正気か!?と思いますが、彼らは本気です。

「俺は、部下の親じゃない」と思いたい気持ちはよーく分かります。

が、平成生まれの現代の若手社員には、昭和生まれの厳しい働き方が理解できないのです。

自分の身は自分で守る、ではなく、自分の身は他人に守ってもらう、という甘えをもった社員が多く存在するのが今の時代です。

4.部下のタイプを知る

冒頭でもお伝えしたように、最初からやる気がない部下は稀です。

仕事をやらない、と感じても、その原因が単純にやる気ではない可能性もあります。

そのため、部下の手が止まっている理由を知ることに意識を向けてみましょう。

あなたの部下がどのタイプかを考えながら読み進めてください。

4−1.Why(なぜ型)

仕事に対して「どうしてこの業務をやる必要があるのか」と考えるタイプです。常に「目的」を求める特徴があります。

「いいから言われた通りにやれ」と指示をしてしまうと一気にやる気を失ってしまいます。

このタイプには、仕事の意義を伝えることで、部下のやる気を高めていきましょう。

4−2.Can(可否型)

仕事に対して「自分の能力でできるかどうか」と考えるタイプです。「できるならやる、できないならやらない」という基準で行動をします。

このタイプは、できないとやらないので、「できるためのやり方」を教えてあげましょう。

「仕事は見て覚えるものだ」と考えてしまいがちですが、このタイプには丁寧に教えることをおすすめします。

やり方を教えるだけで、案外すんなり仕事をするようになってきます。

4−3.Will(意思型)

仕事の目的も分かる、やり方も分かる、でもやるかどうかは気分次第なタイプです。

このタイプが一番やっかいです。

基礎能力が高いがゆえに「自分がやるべきものか」「自分の能力が発揮できるか」を常に気にしています。

そのため、業務内容が容易すぎる、または、自分の考えを反映しづらいなどの要因があると途端にやらなくなります。

このタイプは、能力を褒めつつどうしたいのかを聞き、狙った成果から逸脱しない範囲で権限委譲することが有効です。

ちなみに私自身はこのタイプのため、上司は常にイライラしていたことだと思います。(今はちゃんと指示を聞くようにしています、たぶん)

5.まとめ

ここまで、「やる気がない部下」が何を考えているのかを解説してきました。

・やる気がない部下は、人間関係、業務内容、会社そのものが嫌だと感じている

・言うことを聞かない部下は、評価をされていない、上司を舐めている、上司の自己保身を感じている、やらされ感がすごい

・やる気がない部下は、上司の言行一致を求めている、上司にもっと働けと思っている、でも正しく指導してほしいし、守ってもほしい

・部下には、なぜ型、可否型、意思型の3タイプがある

これを踏まえておくだけで、部下の言動が「理解不能」ではなく、理由があることが分かるようになります。

いよいよ後編では、具体的な部下との接し方についてお伝えしていきます。

それではお楽しみに。

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