どうも、職場プレス編集長/モチベーターの石川です。
前回の第3話では、履歴書・エントリーシートの書き方を解説しました。
履歴書の書き方が身につけば、ようやく採用試験を受けるためのスタートラインに立てます。
今回は最終回として、いよいよ筆記・面接の試験本番の対策です。
いくら事前の準備を完璧にこなしても、実際の採用試験がグダグダでは受かるものも受からなくなります。
心していきましょう。
目次
1.筆記試験〜明確な回答をするために〜
筆記試験で王道なのはSPIや一般常識です。
SPIは適性検査として「能力」と「性格」が測られます。
能力検査…「問題を正しく把握・処理する力」を測る。
性格検査…「質問によって、その人の傾向を知り、どのような職種や組織に適性があるか」を測る。
1−1.SPIの対策
対策は簡単です。
書店でSPIの問題集を2〜3冊買って、ひたすら問題を解きましょう。
すると、問題の傾向が分かります。
人によって得意・不得意があるので、不得意で時間をかけても出来ないものは、潔く諦めましょう。
就活の期間は限られているため、無駄にできる時間はありませんから。
目安として、苦手分野も含めて総学習時間10時間以内です。
「何%あればOK」という明確な基準はありませんが、正答率が70%を下回っている場合は、追加で勉強をしましょう。
まあ、偏差値50以上の大学に入学できていれば、ほとんどのテストはなんとかなると思います。
1−2.一般常識の対策
一般常識はSPIと比べて難易度が上がります。
というのも、中学校・高校で習う国語・算数・理科・社会・英語に加えて、時事問題が問われるからです。
学校の科目を改めて思い出し、時事問題はしばらくの間、ニュースを新聞・テレビ・ウェブサイトで追い続ける必要があります。
そのため、こちらも参考書を買って、傾向を掴みましょう。
SPIよりも範囲が広く、やり込もうとしても時間が足りないため、こちらも諦めが必要です。
どうしても出来ないものが多い場合は、自分の学力の低さを呪いつつ、ヤマを張って出来る問題が出題されることを祈りましょう。
SPI・一般常識以外にも作業能力を測るテストもあります。
例えば四角い枠の中に「十」をいれるというもの。
まあ作業能力は今までの環境で決まるから今さらどうこうしてもしょうがないので、試験の時にガチで頑張りましょう。
1−3.性格診断
そして筆記試験で最も大切なのは性格診断。
SPIに含まれていることもありますが、これがなかなか取扱注意です。
これは社会人としての適性・組織への適性が高いかどうかを調べるためのものです。
「この結果での適性が高ければ、筆記試験が通るのでは?」と思う時もあります。
性格診断の答え方は2種類です。
①「正直にありのままを答える」
大多数の人はこれだと思いますし、それで良いと思います。
②「質問項目と選択肢を見て、自分を総合力を高くみせるための回答を選ぶ」
②がどんな感覚かが、理解できる人は少ないと思います。
少し説明をすると「質問項目から、どんな結果になるかを予測できる」という人間が一定数存在します。
「この質問にAと答えると論理的、Bと答えると情緒的という判定が出る」というのが分かるんですよ。
で、バランスを考えて「総合力が高い」という判定になるように回答をコントロール出来るんです。
例えば、本当は「合理的」な人間だけど、ドライな印象になり過ぎないように適度に「情緒的」であるような回答を混ぜる、みたいな。
ただし、先述したように、これが出来る人はごく少数です。
これまで見てきた中では「場の空気や人の感情の動きを敏感に読める人」が設問と結果の因果関係を把握できる傾向にあります。
もし、あなたがこの感覚が分からなければ、①の「正直に答える」をおすすめします。
小細工をすると、グチャグチャな診断結果になりますから。
逆に②の感覚が分かるようであれば、自己責任でコントロールにチャレンジしてみても良いかも知れません。
ちなみに私は、②のタイプだったので、ある程度コントロールをしてみました。
入社後に自分の試験結果を見せてもらったら「社会人としての適性」が飛び抜けて良かったです。
その反対に算数の問題は、とんでもなく悪かったですが。。。
まあ、自分のバランス感覚を信じて回答していけば、受かるにしても落ちるにしても心は穏やかだと思います。
性格診断では、ライ・スケールに十分に注意してください。
例えば「今まで一度も腹を立てたことがない」「今まで一度も風邪を引いたことがない」という質問ににうっかり「YES」にしないように。
仮に本当になかったしても、NOと答えましょう。
これは引っ掛け問題なので、YESと答えると「嘘つき」という診断が出ます。
1−4.筆記試験に臨むにあたって
筆記試験は厳格に回答時間が決められています。
そのため、分からない問題は立ち止まらず、とにかく回答して、どんどん進めて最後までやり切りましょう。
また、繰り返しますが、勉強に時間を使い過ぎないように。
時間をかけるべきは「自己分析」と「企業分析」です。
食塩水の濃度を解く問題がいくら速くなっても、それほど全体に影響しませんから。
ちなみに私自身は、理系科目がとにかく苦手だったため、食塩水の濃度・速度の測り方などは最初から理解を諦めて、勘に頼ってマークシートを塗りつぶしていました。
2.面接〜正解も不正解もない〜
さて、一番気になる面接ですね。
ここが就活の最も重要な選考です。
人事・採用担当者の判断の基準は、会社によって違うため、「こうすれば内定!」みたいなマニュアルは存在しません。
ですが、明らかに大切なことは3点あります。
①服装
②受け答えができるか
③自分の意見を持っているか
2−1.服装は最低限のルールを守る
まずは服装です。
あなたは、メラビアンの法則をご存知ですか?
話し手が聞き手に影響を与える情報の割合を示したものです。
それは、視覚情報55%、聴覚情報38%、言語情報7%という割合です。
つまり、「人は見た目で判断されている」ということです。
どれだけ素晴らしい内容を話しても、残念ながら7%の効果しかありません。
逆に、多少しゃべる内容がイマイチでも、見た目が良ければある程度はカバーできます。
ということで、服装は十分に気合いを入れて整えましょう。
とは言っても、やることはシンプルなので下記のことを意識してください。
・無地のスーツとシャツを着る
・黒やグレイなどのダークカラーの靴下をはく(白はNG)
・ベルトは靴と同じ色にして黒か茶色
・ネクタイは結び目をワイシャツの第一ボタンまで上げる
・靴をちゃんと磨く
・Yシャツにシワや汚れがない
・ジャケットのボタンの一番下は留めない
・髪の毛をしっかりとセットする
など。
個人的には「そこまで気にしなくても良いんじゃ無いか」と思いますが、TPOに合わせた服装を自分でしっかりと準備できる、という能力をみる点では有効な手段ではあります。
たまに見かけるのが派手なシャツ、くるぶしソックス、カフスをしている、などのおしゃれをしている就活生。
多くの業界で、それらのおしゃれはマイナスの印象になります。
別におしゃれ自体は好きにすれば良いですが、TPOという視点で見たときに「なぜその服装をするのか」は考えるべきです。
そこに「採用のための戦略」があればOKです。
しかし、「ただなんとなくその他大勢から抜け出したい」だとか「就活中もおしゃれしたい」という理由の場合、「内定」のためにそれが必要な行動かを精査しましょう。
人事は「基本的なことができない人間」は即座にNGと判断するので服装には十分に気を配りましょう。
それもそのはず、入社後に「服装」という基礎中の基礎(というか基礎以前の問題)で小言を言いたくありませんし、そんなレベルの社員を会社のお客さんに対応させるわけにはいきませんから。
ちなみに女性でこれを読んでいる方には申し訳ないのですが、女性の身なりについて細かい正解が分からないので、上に記載した内容を参考にしつつ就活セミナーや女性の先輩に聞いてください。ごめんね。
いずれにしても男女問わず、就活の書籍やセミナーで最低限のルールを学んでみましょう。
2−2.ちゃんと受け答えができるか?
次に大切なのが「受け答えができるか」です。
簡単なことだと思うかも知れませんが、これがなかなか難しいです。
まず、面接官の質問をしっかりと聞き、相手が何を聞きたがっているのかを把握、質問に対して的確に答えましょう。
就活生の中には、面接で自分が用意してきた答えを言いたいために、人事の質問とはズレた回答をべらべらしゃべる人がいます。
が、そういうタイプはすぐに落ちます。
面接官が「なぜその質問をするのか」という理由を考えて、面接官の疑問に答える発言をしましょう。
もし、相手の言っている意味が分からない場合は、遠慮せずに聞き返しましょう。
もっと分かりやすく質問をしてくれますから。
聞き取れなかった場合も「申し訳ありませんが、質問をもう一度おっしゃっていただいてよろしいですか?」と伝えましょう。
曖昧な状態を曖昧な状態なままにして、ふわふわした答えをするのはNGです。
繰り返しますが、「自分が伝えたいこと」の前に「面接官が聞きたいこと」にしっかりと答えること、それが肝心です。
一緒に働く時に、自己主張ばっかりする人がいたら嫌ですもんね。
2−3.自分の意見をしっかりと持っているのか?
面接の時に求められるのは、自分の意見を持っている、ということです。
これも簡単そうに見えて実は難しいものです。
自分をよく見せたいがために、テレビ・新聞・ネットニュースで聞きかじった意見を言ったり、面接マニュアル通りに答えてしまうことがあります。
それだと落ちます。
ではどうすればいいのか。
ニュースや身の回りで起きる出来事に対して自分の意見・感想を考えてみることが大切です。
そして「なぜそう思うのか」を深掘りする。
そうした癖をつけると自分の意見が言えるようになって自分の行動指針、信念がみえてきます。
これは自己分析にもつながるのでかなりおすすめです。
採用担当者は「綺麗でソツのない意見を言う人材」ではなく「その人らしさを発揮できる人材」を欲しいと思っています。
もちろん、「会社の部品」となる人材を求めている企業もありますが、そのような会社に入りたいかどうかはあなた自身で判断してください。
ちなみに志望動機と自己PR以外はしゃべる文章をあまり考えずに臨んだ方が良いです。
考えてきた文章を話すと、どうしてもマニュアルっぽくなっちゃうから趣味、特技、学校の専攻、学生時代に頑張ったことは、話の柱だけを考えてあとは面接中の質問に応じて考えましょう。
まあ、喋るのが苦手で、どうしても台本が無いと緊張しちゃう、という人はあらかじめ考えた方が無難ですね。
いずれにしても、自分を偽らずに臨みましょう。
自分の普段のキャラクターとは違う振る舞いをして、入社すると「自分の力が発揮できない」と悩むことになります。
2−4.圧迫面接の倒し方
最近はめっきり聞かなくなりましたが、10年ほど前は圧迫面接がありました。
負荷をかけて、どんな反応をするかを確かめる、とのことです。
怒ってしまってはダメですし、しょんぼりしてもダメ。
毅然とした態度で、面接官に対して丁寧に受け答えをすればOKです。
ただし、「圧迫面接をする会社に入りたいか」は良く考えておきましょう。
学生の能力を測るために圧力をかける、という会社は果たしてホワイト企業なのか。
そんな原始時代の価値観では将来性があるとは思えませんよね。
3.「就活の歩き方」シリーズのまとめ
3−1.情報と自分
就活は情報の取捨選択が重要です。
これまでお伝えした情報は、これからの就活の土台となる考え方です。
しかし、就活を進めるうちに自分に合った就活のやり方が見えてくるので、それを大事にしていきましょう。
その一方で、矛盾するようですが、自分のやり方を過信しないことも同じくらい大切です。
自分の考え方に過信して、選考に落ちると自己嫌悪の無限ループにハマる可能性がありますから。
そんな時は一度立ち止まって、改善点を探しましょう。
自分に悪い部分があるのは、ダメなことではありません。
「悪いことがあるのに気づかずに改善できないこと」がダメなんです。
自分の嫌な部分と向き合うのも就職活動です。
自分で考えられない時は、誰かに相談すればきっといいアドバイスがもらえる、はず。
とにかく、良いことも悪いことも人に話して気分転換をするのがオススメです。
誰かにに支えてもらうことも、時には必要です。
3−2.選び、選ばれ
採用試験は「企業が就活生を選ぶ」という風に見えているかも知れませんが、あなた自身が「企業を選ぶ」権利があります。
内定が出たからと言って、必ず就職しないといけない訳ではありません。
とは言っても、入社したくない会社の選考を受ける時間は無いので、どんな会社に入りたいか自己分析の時点でしっかりと考えておきましょう。
そして、当たり前のことですが、就活は受かったり、落ちたりするものです。
誰だって何社も落ちる、けどいい会社が見つかる。
仮に落ちてしまっても「あんな会社潰れてしまえ!」と悪態をついて気持ちをスッキリさせてから次の会社に臨みましょう。
大丈夫、あなたが悪態をついたところで、その会社が潰れるわけありませんから。
ちなみに内定辞退は丁寧に行いましょう。
たまに返答の期日を過ぎてバックレる、という話を聞きますが、それは最悪の行為です。
企業側からすると、あなたに内定を出すまでに相当な費用と労力をかけていますし、あなたが辞退することで、採用できる人もいます。
出来るだけ判断を遅らせたい気持ちは分かりますが、社会の一員となるものとしての責任は果たしましょう。
また、「入社しないからどうでもいいや」という態度も良くありません。
企業同士は、取引があったり、情報交換をしているため、どこでどんな風にあなたの情報が共有されるか分かりませんし、辞退した会社が後々取引先になる可能性も十分にありますから。
3−3.濃〜い時間を過ごす
就職活動は、おそらく大学生時代において、もっとも濃密な時間になると思います。
自己研鑽と社会に出るためのトレーニングだと捉えて頑張っていきましょう。
それでは、あなたの就活がうまくいくことをお祈り申し上げます。
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これで学べば、かなり多くの悩みが解消されること間違いなし、たぶん。
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