どうも、職場プレス編集長/モチベーターの石川です。
これまで、就活の具体的なやり方を伝えてきました。
就職活動の歩き方:第3話【履歴書・エントリーシートの書き方編】
今回は、番外編としてこれまでと切り口を変えて「そもそも就職活動とは何か?」という本質的な話をしていきます。
具体的な方法を実践すれば、内定をもらえる確率は格段に上がります。
その一方で、テクニックだけで入社すると、しばらく経った時に「これで良かったのかな?」と思ってしまうこともあります。
実際に私が所属している会社でも、自分の現状に疑問を抱き、離職していく人たちもいます。
それは、就職前の理想と就職後の現実のギャップが大きかったり、そもそも就職前に「これが理想の形だよね」というものを思い描かずに就職活動をしてしまうことに原因があります。
そんな状況を回避するためには、就職をする前に、就職活動の本質を理解しておく必要があります。
今回は、より本質的な話をしていくので、前の4話と比べると辛口なので、ご了承ください。
目次
1.就活とは「会社と自分のすり合わせ」
就職活動を「入りたい会社から内定をもらう活動」と捉えている学生がほとんどですが、それは間違いです。
就活の本質は「自分に適した会社を探して、入社する活動」です。
そのために必要になるのが、
・自分を掘り下げる作業
・自分に適した会社を探す作業
この2つです。
1−2.自分を掘り下げる
自分を掘り下げる作業は、第2話でお伝えした「自己分析」です。
これによって、自分の強み・弱み、行動理念・信念を言語化していきます。
この手順をサボると「自分に適した会社」が見つかりません。
例えば、あなたがクリエイティビティに溢れた仕事にワクワクするタイプなのに、工場のラインや決められたルールの中で仕事をする公務員になると、「本当にやりたいことはコレジャナイ」という悩みを抱えることになります。(その逆もそうです)
このミスマッチを避けるためには、自分の特徴を理解することです。
例えば、
①自分が志望するのは公務員
②自己分析をやったら、新しいことに挑戦する好奇心満点な自分であることが分かった
③公務員よりもベンチャー企業に適性がありそうだから、志望先を変えた
ということもあり得ます。
上記の場合、
「自分が入りたい会社」が行政(公務員)で、「自分に適した会社」はベンチャー企業です。
そして、「自分が入りたい会社」は自己分析をしなくても見つけることが出来ますが、「自分に適した会社」は自己分析を重ねた末にしか見えません。
で、大半の就活生は、自己分析の深掘りをしないから、未然に防げたはずのミスマッチを引き起こして、メンタルをやられていきます。
まあ、上記の例で、仮に公務員になったとしても、その仕事の中で挑戦的な事業を企画したり、仕事以外で好奇心を満たす活動をするのもありですが、そもそもベンチャー企業に入ってしまえば、仕事をすることで自然と生きがいを感じながら過ごすことができます。
(例として「公務員」を挙げていますが、別に職業そのものを否定している訳ではないですからね)
さらに、自己分析をしっかりとやらないと、自分が本当にやりたいことが分からないまま、とりあえず「社会のため」「地域貢献のため」とか、キラキラした良いことっぽい内容を志望理由で語ることになります。
そして、入社後に「給料が少ない」だの「思っていたのと違う」だの「土日祝にも出勤があって友達と遊べない」だの愚痴を言うことになるのです。
そんなことは、自己分析と企業分析の段階で把握しておけ、と言う感じです。
1−2.自分に適した会社を探す
自分に適した会社は、情報収集から採用試験までの一連の流れで探していきます。
第1話の情報取集編でもお伝えしましたが、合同会社説明会では、自分が興味が無い会社も見ることが大切です。
なぜなら、「自分が興味が無い ≠ 自分に適していない」だからです。
興味がなかったけど、会社説明を聞いたら良さそうだった、ということはザラにあります。
むしろ、そちらの方が多いくらいです。
そもそも自分が業種・業態・会社についてどれだけ知っているのか、ということを考えれば、知っていることはほんの僅かであることが想像できると思います。(もし、想像できないのであればセンスが無いです)
また、合同説明会に参加している時点では、深い自己分析が出来ていない段階のため、業種・業態を絞り込まない方が無難です。
とにかく数をこなしておくことがとても重要になります。
なぜなら、実際の採用試験を受ける段階になると、徐々に合同説明会や単独説明会の数が少なくなってくる上に、履歴書やエントリーシートを書くことに時間を使うため、情報収集に使える時間は相当少なくなっています。
就活全体の効率を考えるととにかく序盤に大量の会社に触れておくことが重要になります。
採用試験においては、筆記試験で「その会社で働くに耐えうる人材か」を測られ、面接では「人となりが会社に合うか」がみられます。
ちなみに、面接においては「会社側からの評価」も大切ですが、「あなたが会社の雰囲気をどう感じたか」がもっとも重要です。
というのも、面接相手はこれからあなたの同僚や上司になる人です。
その人たちと自分の雰囲気が合わないと感じるのであれば、その会社の風土があなたの価値観や適性に合わない可能性があります。
実際に私自身も「入りたい会社」があったのですが、役員面接の雰囲気がどうしても好きになれない、ということがありました。
(幸いにして、選考に落ちましたが、入社していたら辛いことになったと思います。)
また、会社の役員は、あなたの数十年後の姿です。それに尊敬や憧れの気持ちを抱けるかどうかをしっかりと考えましょう。
2.就活のスタート時には内定をくれる会社は決まっている
実は就職活動は、始まった時点であなたに内定をくれる会社は決まっています。
というのも、就職活動の本質は「会社と自分」をすり合わせる行為だからです。
そのため、採用試験を受けるタイミングで、その時の自分の総合力で勝負することになります。
就活を始めたからといって、そこから急激に自分の能力や魅力が上がる訳ではありませんし、就職活動を通して入りたい会社が求める適性を手に入れることも出来ません。
あくまでも、現状の自分で、自分がやりたいことや適性を探して、会社を探すというのが、就職活動です。
だから、どれだけ入りたい会社があっても、入れるかどうかは、その思いの強さは関係がなく「その会社があなたを欲しいと感じるか」が重要になります。
実際に私も、読書好きのため、本に携わる仕事がしたいと思って、出版社や取次店などを受験しましたが、エントリーシートすら通過せずに全滅しました。
好きだから入れる、という世界ではないんですよね。
こんな風に、必ずしも「自分が希望する会社」が「自分の適性に合った会社」ではありません。
むしろ、希望する会社であっても、適性が無いのであれば、不採用の方がありがたいんです。
「そんなこと言われても割り切れないよ」と絶望的に思うでしょうが、希望もあります。
それは「あなたを求める会社はどこかにはある」ということです。
そして、そこに辿り着くことが重要で、さらに辿り着いたら、あなた自身の魅力を最大限に伝える必要があります。
そこで、自己分析と企業分析が活きてくるのです。
仮に適性があったとしても、自分の能力や強みを伝えることが出来なければ、受かるものも受かりません。
「適性があるから大丈夫」という訳でもないんですね。
なぜなら、就活は絶対評価ではなく、相対評価だからです。
3.「就活」とは「相対評価」
就活の恐ろしいところは「絶対評価」ではなく「相対評価」であるということです。
あなたにその会社に対する適性があったとしても、あなたと同じくらい、もしくはそれ以上に適性がある就活生がその会社を受験しています。
その場合、あなたはそのライバルと比べられて、採用するかどうかを判断されます。
ただ、ここでも希望が持てる話なんですが、仮にあなたよりもライバルが会社への適性があっても、それを60%しか会社に伝えられず、あなたが100%を出し切れば、あなたが内定をもらう可能性があるんです。
潜在的な能力や適性はあくまでも、潜在的なものであって、顕在化させなくては意味がありません。
「ありのまま」で就活をすればいいのですが、努力もせずに「今のまま」で就活をしてはいけません。
たゆまぬ努力にこそ、就活の神様は微笑みます。
そして、その努力のやり方は、これまで1〜4話でお伝えしてきた内容です。
4.「学校」と「社会」はルールが違う
第1話でもお伝えしましたが、「学校」と「社会」では採用されているルールが全く異なります。
学校のテストは、明確な正解があり、点数の上限は100点ですよね。
そして、テストや課題の出来栄えや出席数を加味して、先生があなたの成績を評価してくれます。
かなり、フェアなルールで競うことができるんです。
しかし、社会では、正解を自分の手で作り上げて、100点以上を積み上げることができます。それこそ1万点の仕事をすることができます。
さらに、自分の仕事の成果を自分で評価をして、どんな点が良かったかということを周囲に正しくアピールして人事的な評価をしてもらう必要があります。
そして、中には足を引っ張ってくる人もいます。(同じくらい応援してくれる人もいますが)
学校では「正解を答える」というスキルが求められ、社会では「自分の行動を正解にしていく」というスキルが求められるのです。
そして、そのルールは、誰かが宣言してくれることもなく、就職活動の時点で、あなたにも適用が開始されます。
だから「どれだけ頑張った」とか「正解を探す」などの行動に全く意味も価値もありません。
求められるのは「成果に結びつく行動」が取れるかどうか、だけです。
それに気づけない勘の悪い就活生は、いつまでも正解や効率的な方法を探して、頑張りを主張して、時間を浪費していくのです。
繰り返しますが、「学校と社会はルールが異なります」
5.「安定」と「プライベート」
大学生と接していると、一定数「安定した職業につきたい」とか「プライベートが充実した生活を送りたい」という人がいます。
まあ、その気持ちは理解できます。
ただし、もしあなたがそのような考えを持っているのであれば、そこには2つの落とし穴があることを知っておいてください。
5−1.安定という落とし穴
「安定」を提供している会社に就職すれば、のんびり過ごせて、自分の生活が「安定」する、と勘違いしている就活生がものすごく多いです。
はっきり言います、それは間違いです。
というのも、「安定」とは「たゆまぬ改善」のことだからです。
例えば、スーパーマーケットでは、毎日安定的に食材を買うことができます。
買い物客からすれば、スーパーに行って、食材を買えるのは当たり前ですよね。
しかし、値段を一定に保ち、品質を管理するには、常に改善が必要になります。
仕入れルートの確保も必要ですし、原材料が値上がりすれば売価に影響するので、発注数を多くして単価を下げてもらうための交渉も必要です。
棚卸し作業を効率化するためには、常に新しいシステムの動向を見守る必要もありますし、お客さんに飽きられないように定期的な店舗改装も必須です。
そうした努力を積み重ね続けるからこそ、「安定」して見えるのです。
水面では優雅に泳いでいる白鳥が、実は必死で水を漕いでいる、という感じに似ていますね。
だから「安定」を提供している会社に入ると、その安定を維持するために、シャカリキに働く必要があることを知っておいてください。
5−2.プライベートという落とし穴
昨今の就活生に関する調査では「管理職は目指したくない」「定時に帰ってプライベートを楽しみたい」「自己成長がしたい」など、自分中心の考え方をしています。
まあ、それはそれでいいんだと思います。
ですが、勤務時間は1日あたり8時間あります。
寝ている時間が仮に8時間だとすると、起きている時間の半分を仕事に費やすことになります。
その仕事に対して全力を出さないようだと、人生の起きているうちの半分をぬるい状態で過ごすことになります。
「管理職は大変そう」というイメージから管理職を避けたがる気持ちは分かるのですが、管理職にならないと給料は上がらないからプライベートに使えるお金は少なくなるし、やれる仕事の範囲も狭いからスキルアップもしません。
別に管理職になることが正義ではありませんし、これからは「個人の時代」「フリーランスの時代」だから、会社にしがみつかなくても大丈夫という言説もあります。
が、自分が働く環境を整えてくれる会社という土台で全力を出せない人材は、個人であってもフリーランスであっても、継続して稼ぐことは出来ません。
「仕事はつまらないけれど、プレイベートは充実」という状況の人をあまり見たことがありません。
どちらかと言うと「仕事もプライベートもどっちも全力で大忙し」という人ほど、人生そのものが充実しています。
総括して言えば、ぬるくゆるくできる仕事に就きたい、と考えているのであれば、その甘い考えを捨てておきましょう。
6.「そこそこで良い」に待ち受ける地獄
ついでなので、上記に関連した嫌な話を伝えておきます。頑張って読んで!
「仕事そこそこ人間」がどうなるか、という話です。
会社は、忠誠心を持って、全力で働く優秀な社員を求めています。
その反対に、忠誠心はなく、手抜きで働くデキの悪い社員は必要としていません。
そのため会社は、優秀な社員を出世をさせて給料を上げて待遇を良くして、ダメな社員は出世をさせずに左遷をしたりして待遇を維持したり悪くしたりします。
もし、あなたが「仕事はそこそこで良い」と思っているのであれば、「ダメな社員」に分類される可能性があります。
すると「そこそこで良い」なんて思っていたけれど、給料は上がらない、やりがいもない、という状態になり、徐々にメンタルが落ち込んできます。
ここまでくると、プライベートも楽しめなくなっているはずです。
まあ、これで止まればいいのですが、最近では大企業ですら大規模なリストラを断行しています。
「安定」と思っていた会社が、実は安定していなかったということですね。
そして、リストラは、優秀ではない、やる気もない、忠誠心もない社員から切られていきます。
そうでもしないと会社を維持できませんからね。
そんな状況の中で、ダメな社員を脱しようとしても、もう手遅れです。
そして、一度リストラをされると、あとは転落が待ち受けています。
正社員で転職しても給料が下がるし、そもそも非正規でしか雇ってもらえないなんてこともあります。
「仕事が全てだ!」というつもりはありませんが、「そこそこで良い」という姿勢がどんな状況になるか、というのは想像しておいた方が良いでしょう。
そもそも「そこそこで良い」と考えているのであれば、就活の時に採用担当者にその雰囲気は必ず伝わります。
すると、内定をもらうまでに苦労しますし、もし、もらったとしても、あなたの「そこそこで良い」という感覚を見抜けないような会社に将来性はありません。
ということで、「社会で働く」ためには「そこそこで良い」という考えは捨てておきましょう。
ボロボロになるまで仕事をしろ、と言っている訳ではありません。できる範囲で全力を尽くした方が良いよ、という話です。
7.充実を手に入れよう
とまあ、ここまでがっつり厳しめのことをお伝えしてきました。
なぜなら、企業の採用担当者は、新入社員を採用したいがために、キラキラしたことばかりを語り、本質を語ってくれません。
そのため、社会の現実をお伝えしました。
とはいえ、社会で働くことが大変で、地獄なのかというとそんなことはありません。
確かに、学生時代のようにまとまった時間は確保しづらいですし、朝まで飲んで1限目を休んじゃう、ということはできません。
ですが、社会人になって全力で仕事をやれば、給料はもらえるし、お客さんから感謝されるし、社会をちょっと良くすることができます。
仕事の合間に旅行や飲み会を詰め込めば、その時の開放感は学生時代の比ではありません。
また、仕事を一生懸命やっていれば、急にモテ期が訪れることもあるし、入る会社によっては芸能人と仕事をすることもできます。
私自身は、大学時代は充実したものでしたが、社会で働く今の方が圧倒的に充実しています。
もちろん、人間関係にうんざりしたり、お客さんの無茶な要求に悩むこともありますが、自分で考えて、それを実現できて、給料がもらえる、という環境は「働く」からこそ成立しています。
ということで、社会人は、黒い部分も白い部分もあるので、怖がらなくても大丈夫です。むしろ、楽しい。
ので、しんどい就職活動になるかもしれませんが、覚悟を持って、頑張って内定を目指してください。
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