こんにちは、職場カウンセラーのイシカワです。
職場においてコミュニケーションが上手くいかず、思うように仕事の成果が上げられないことがありますよね。
上司が頭ごなしに決めつけて、自分の言うことを最後まで聞いてくれない。
部下が指示通りに動かずに、いつまでたっても指示をした資料が出来上がらない。
良好な関係を築こうと思ってコミュニケーションをしているつもりなのに、相手の言いたいことが分からず、こちらの伝えたいことが伝わらず、段々とイライラして職場に行くのも嫌になってしまうこともあると思います。
同僚との飲み会では、たまったイライラを晴らすために、言いたくもない愚痴をついつい言ってしまう。
この記事ではそんなネガティブな感情や行動を止めたいけれど「会社でのコミュニケーションを円滑にするために何をすれば良いのか分からない」という方に向けて「職場におけるコミュニケーションとは何か」を明らかにして、実際に「コミュニケーション能力を鍛える方法」をお伝えしていきます。
コミュニケーション上手になって成果を出して評価も上げていきましょう。
目次
1.職場におけるコミュニケーション能力とは何か
「コミュニケーション上手」と聞いて「会話が上手」「面白い話ができる」など漠然としたものをイメージしているようでは、コミュニケーション能力を鍛えることはできません。
ここでは、そもそも「職場におけるコミュニケーション能力」とは何かをお伝えします。
1-1.会社の利益のためには「報告・連絡・相談」が必須
「会社」という組織は、利益を上げることを目的としてしています。
効率的に利益を上げるためには会社の業務を円滑に行うことが必要不可欠です。
そのための手段が、報告・連絡・相談(ホウ・レン・ソウ)です。
この3つが職場における最も重要なコミュニケーションです。
報告・・・上司から指示された業務の経過や結果について伝えること。
連絡・・・業務についての簡単な情報や事実を自分の意見を加えずに関係者に伝えること。
相談・・・業務において自分が判断に迷う場合に上司・先輩・同僚から参考意見をもらうこと。
1-2.職場でのコミュニケーション能力とは「聞く力」と「伝える力」
そして、上記にあげた3つのコミュニケーションを成立させるために必要な力が、
「聞く力」と「伝える力」の2つです。
「聞く力」・・・話し手の伝えようとする内容を的確に把握する能力。
「伝える力」・・・自分が伝えるべき内容を正確に相手に認識してもらう能力。
いずれの能力も相互の認識にズレが生じないようにすることが重要で、正しく聞いたり、伝えることで良い報告・連絡・相談ができるようになります。
1-3.コミュニケーション能力が鍛えられると評価も上がる
上記2つのコミュニケーション能力が鍛えられるとあなた自身の評価も上がります。
「聞く力」と「伝える力」が鍛えられると、職場における3つのコミュニケーションである報告・連絡・相談の精度が上がります。
すると上司からのあなたの評価は、「指示通りに仕事ができる部下」「何をやっているのかが明確な部下」というポジティブなものになります。
業務の目的を理解した上で、上司の意向も把握できているため、作業に無駄が生じにくくなり、成果を出すことで評価が上がります。
2.コミュニケーション能力を鍛える方法
ここからはコミュニケーション能力である「聞く力」と「伝える力」の具体的な鍛え方をお伝えします。
業務においては基本的に5W2H(what:何を why:なぜ who:誰が when:いつ where:どこで how:どうやって how much:いくらか)を意識しましょう。
2-1.聞く力を鍛える
職場で業務を行う場合、基本的には指示を受けることから始まるため、伝える力の前にまずは聞く力を鍛える必要があります。
聞く力はこれからお伝えする内容を実践することで、確実に身につけていくことができます。
2-1-1.機嫌の悪さを感づかせない
自分に対して話しかけやすい雰囲気を作ることが「聞く力」において最重要です。
そのためには機嫌の悪さを感づかせないようにしましょう。
上司の機嫌が悪いために報告ができないという状況は誰しも経験があると思います。
そして「今は話しかけちゃダメだ」と思い、急ぎの用件を後回しにしたり、報告すべきことを忘れ去れてしまったこともあると思います。
それを反面教師にして、あなた自身は常に話しかけやすい状態を作る必要があります。
と言っても、いつもニコニコしている必要はなく、周囲から見てあなたが「機嫌が悪い」と思われなければ問題ありません。
そのためには、機嫌の悪さが出ないようにどんな精神状態でも普段通りの行動を心がけましょう。
具体的には機嫌が悪い時にやりがちな行動を取らないようにしましょう。
例えば、「表情が険しくなる」、「キーボードを叩く音が大きくなる」、「デスクの引き出しをバタバタと開けたり閉めたり」という行動をやめます。
そのような行動を取ってしまい、「自分がイライラしている」と自覚できたら、席を外したり、深呼吸をして落ち着きましょう。
それだけでも周囲に与える悪い印象が和らぎ、話しかけやすい雰囲気ができてきます。
2-1-2.相手の話を最後まで聞く
話しかけられたら、とにかく最後まで話を聞きましょう。
報告や相談を聞いている途中で、状況を判断してしゃべり始めてしまう人がいますが、そのようなことをすると、全ての情報を把握することができず、判断を誤ってしまいます。
さらに、話しかける側からは「あの人は最後まで話を聞いてくれないから報告は最低限でいいや」と思われてしまいます。
話しかけてくる相手が上司だった場合、「あいつは話をしっかり聞かないから、やらせることだけ伝えよう」と思われて評価が下がります。
そうならないためには、話かけられたら、こちらの発言は相槌と復唱にとどめて相手の話を最後まで聞きましょう。
伝え方が下手でも、イライラせずに聞くことで相手からは「この人は話を聞いてくれる」と思われて情報が入ってきやすくなります。
2-1-3.相手が声をかけてきた目的を明確にする
次に最後まで聞いたら、相手が話しかけてきた目的を明らかにしましょう。
具体的には「今、あなたが解決したい課題はなんですか?」「あなたのゴールはなんですか?」と聞いてみましょう。
業務の内容について話しかけてきた場合、どんなに分かりづらい伝え方であっても、必ず解決したい課題や目指しているゴールがあります。
しかし、伝え方が下手な人は、話をしている内に伝えることが目的になってしまい、本当に伝えたい内容を見失うことがよくあります。
また、聞くこちら側も内容を誤解して聞いてしまうと話を聞いた後の業務のやり方やアドバイスを間違えてしまうことにもなります。
相手が上司の場合に聞く内容を間違えて業務を行うと「そんなことは指示していない」「そういう意味で言ったんじゃない」と怒られてしまいます。
それを避けてお互いの認識をすり合わせるために上記のような質問を投げかけて、相手の目的を明確にしましょう。
さらにこのやりとりを繰り返していると相手がこちらに話しかけてくる時には、目的を伝えることから始めてくれるようになるため、結果としてそれ以降のコミュニケーションがとても円滑になります。
2-1-4.相手の言うことをまず認める
相手の言うことを最後まで聞いたら、どんな内容であってもまずは認めてあげましょう。
相手の立場から考えると分かりますが、話終えた直後に相手から返ってくるのが「それはダメだね」「完全に間違っているね」という言葉だったら、感情的になってしまいます。いったんイライラしてしまうとその後の意見がいかに的確であっても頭には入ってこない上に、言われた通りにはやりたくないと思ってしまいます。
内容はさておきまずは認めてあげることで、相手は「認めてもらえた」という安心感からこちらの意見を聞く体勢が整います。
具体的には、以下の2点を意識すると相手が納得しやすくなります。
①考え方が合っている場合、その内容を認めた上で、さらに良くなる意見を伝える
②考え方が間違っている場合、考えたこと自体を認めた上で、こちらが合っていると思う意見を伝えてそれについてどう思うかを聞く
さらに応用編としては、方向性を正しいと判断したのであれば、こちらの意見を採用するかしないかは相手の選択に任せるようにしましょう。
そうすることで相手から信頼を得ることができます。
内容が致命的な間違いでなければ、否定することは極力避けるとさらに良いです。
上記のように聞く姿勢を整えることで、どんな時でも最大限の情報を得られる土台ができ、さらに相手からの信頼も得ることができます。
2-2.伝える力を鍛える
2-2-1.伝えるタイミングをはかる
伝える時には、タイミングが重要になります。
相手に聞く姿勢ができていない状態で話しかけても内容は伝わりません。
例えば、会議の直前、出勤して席に着いた瞬間、昼食の直前、帰り際などは緊急事態でない限りは伝わりません。
そのため、話しかけるのは極力相手が聞きやすいタイミングにしましょう。
具体的には以下の通りです。
①事前に予定を入れる
②業務と業務の合間に声をかける
それが難しいようであれば、急ぎではない業務をしている時に「今、お話ししても大丈夫ですか」と聞いてみましょう。
OKかNGはすぐに判断してくれますし、こちらが何かを伝えたいということは認識してもらえます。
すぐに話しかけることがNGであっても、相手に時間的に余裕ができれば声をかけてもらえます。
2-2-2.伝える目的を明確にする
実際に伝える時には、聞いてくれる相手に何をしてもらいたいのかを明確にしましょう。
判断を仰ぎたいのか、進捗報告を聞いてもらいたいのか、書類にハンコを押してもらいたいのか、などを具体的に伝えましょう。
目的を明確にすることで相手の聞く体勢が整います。
2-2-3.聞きやすい順番で伝える 〜結論→理由→根拠〜
基本的に伝える順番は、「結論→理由→根拠」です。
この順番を守っていれば、相手へ伝わりやすくなり、認識もズレにくくなります。
■結論
まず「結論」ですが、何を伝えて自分がどうしたいのか・相手にどうしてほしいのかを明らかにします。
伝える内容の主語を明確にするということです。5W2Hで言うと「what(何を)」です。
特に複数の案件を抱えている上司に話しかける場合は、他の案件と混同するリスクを避けるため、しっかりと結論を伝えましょう。
■理由
次に「理由」ですが、最初に伝えた結論に至った要素や経緯を伝えましょう。
「what(何を)」に対する「why(なぜ)」です。
結論を導くためには必ず、理由が必要となります。
その理由を伝えることで、上司は「結論に至るあなたの判断が妥当かどうか」を考えることができます。
■根拠
最後に「根拠」ですが、理由を補強するための情報を伝えましょう。
「who:誰が when:いつ where:どこで how:どうやって how much:いくらか」などを客観的なデータ、有力な関係者やお客さんの意見、会社を取り巻く環境などを用いて説明します。
根拠の捉え方が、上司と同じ場合は最初に伝えた結論を認めてもらえますし、異なる場合は修正の指示が出ます。
以上にあげた「結論→理由→根拠」の順番で伝えることができれば、報告・連絡・相談を円滑に行うことができます。
3.まとめ
「会社・職場におけるコミュニケーション能力」とは、「聞く力」と「伝える力」の2つです。
「ちゃんと聞いて、伝える」ことを心がけて行動をするだけで、しっかりと業務を行うことができるようになります。
コミュニケーション上手になって、仕事の成果を出して、評価を上げてモチベーションを上げていきましょう。
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