究極に伝わる『PREP法』でエリートリーマンの仲間入り!

こんにちは、職場カウンセラーの石川です。

上司の意見が欲しくて相談したのに、「で、何が言いたいの?」と言われる。

資料作りもリハーサルも完璧に行い臨んだプレゼン、だけど聞き手の反応がいまいち。

お客さんにメリットがある商品を熱心に紹介したのに、なんだか嫌がられる。

それ、あなたが言いたいことが相手が伝わってないからです。

 

サラリーマンの仕事は、自分の考えを聞き手に正しく伝えなければ全く進みません。

にも関わらず、仕事のやり方を教えてくれる上司や先輩は数多くいるものの、仕事での意見の伝え方を教えてくれる人はいません。

 

この記事では、自分の意見を分かりやすく伝える『PREP法(プレップほう)』を紹介し、習得のための訓練方法をお伝えします。

自分の言いたいことをバシッと伝えて、もりもり仕事を進めていきましょう。

 

1.とにかく伝わりやすいPREP法の基本ルール

PREP法とは、伝えたいことを四段階の構成で論理的に組み立てる方法です。

Point・・・・結論、主張、要点

Reason・・・理由

Example・・  裏付け、具体例、数値、事実

Point・・・・上記を踏まえての結論

主張をだらだらとしゃべるのではなく、4つの構成を意識することで、内容にまとまりができ、伝わりやすくなるのです。

この4つの構成は、聞き手に浮かぶ疑問を1つずつ解消していくためのものです。

最初に結論を伝えることで、「なんでその結論?」という疑問が浮かび、理由を伝えることで「その理由の根拠は?」となります。この状態で裏付けを伝えれば、ダメ押しの結論が圧倒的に理解されやすくなります。

話すのが苦手、コミュニケーションが下手、と思っている人でもこの方法を使えば必ず自分の考えを伝えることができます。

それでは1つ1つの構成要素とその役割をお伝えしていきます。

 

1−1.先手必勝の「Point」〜結論〜

ビジネスの基本「結論から言え」というやつですね。

職場における業務上の会話は、利益を生み出すためのものです。

「早く正しく」伝えることで、聞き手になんらかの行動を起こしてもらいます。

そこでは、相手の「聞くストレス」を最大限取り除くことが重要となります。

 

そのために有効な手段が「結論から伝えること」なのです。

回りくどい枕詞はいりません。

 

報告であれば「◯◯の件で報告です。」

承認が欲しければ「◯◯の件についてご承認いただきたいです。」

プレゼンであれば「今日は、◯◯についてお伝えします。」

など、単刀直入に結論を伝えるのです。

 

はじめに結論を伝えることで、聞き手は聞く姿勢ができて「何を聞けばいいのか、何をすればいいのか」を考えてくれるようになります。

ここで結論を伝えるのは、あくまでも相手の聞く姿勢を作るためにあります。

 

1−2.相手の頭の上に浮かんだ「?」を消し去る「Reson」〜理由〜

結論を伝えると聞き手には「なぜその結論になったんだ?」という疑問を持ちます。

その「?」を「!」に変えるために根拠となる理由を伝えましょう。

 

納得しやすいように聞き手のメリットになる理由であることが好ましいです。

社内においては、「収入が上がる」「費用が削減できる」「人材育成になる」「効率化につながる」など会社や相手の利益。

営業時にお客さんには、その商品を購入した際のメリット。

 

理由を言うことで、最初に伝えた結論を受け入れやすくなります。

 

1−3.納得感が押し寄せる「Example」〜裏付け〜

理由の次はその裏付けを伝えましょう。この部分がしっかりしていれば、聞き手の納得度はグッと上がります。

この際に、意識すべきことは以下の2つです。

①定量データ〜根拠のある数字〜

数字はあなたの主張に信頼できる客観性をもたせてくれます。

「多くの人が抜け毛の悩みを抱えています」と言うよりも「1,000名に対して頭髪に関するアンケートをとった結果、68%が『将来の抜け毛が不安である』と回答しました」の方が納得しやすいです。

定量データは、どんな時でも有効です。

 

②定性データ〜事実・事例・意見〜

先行事例や第三者の意見がある場合は、それを伝えるようにしましょう。

例えば「PREP法を実践したビジネスマンは、業務において成果を出しやすくなり、上司からの評価が高まり、昇進や昇給をします。実際にPREP法を習得した方からは『この伝え方を知ってから仕事が進みやすくなった』という意見があります。」と伝えると聞き手が主張を五感でイメージしやすくなります。

定性データは相手の想像力をかき立てます。

 

定量データも定性データも聞き手が言葉だけではなく、イメージとして主張を受け入れやすくなります。

 

1−4.相手の理解力に頼らない念押しの「Point」〜もう一度、結論〜

結論→理由→裏付けを伝えたら最後に冒頭の結論をもう一度伝えましょう。

最初に伝える結論は、相手の聞く姿勢を作るためのものです。理由・裏付けを伝えた後にこそ、結論が伝わります。

 

また、どれだけあなたが論理的に分かりやすく話をしても相手は、あなたが思っているほど真剣に聞いていません。

そのため、相手の理解力に頼らずにダメ押しで結論を伝えることで「で、なんだっけ」の防止ができます。

これまでの話をうやむやにすることなく最後にもう一度、相手にしてほしいことを伝えましょう。

 

2.こんな時こそPREP法

この章では職場でのPREP法の具体的な使い方を例示をしながらお伝えしていきます。

2−1.報告編

報告には、PREP法は最適な伝え方です。

まず、何を報告するのかを伝えましょう。

 

課長、次の営業会議の議案について報告をさせてください。

▽Point(結論)

次の会議では、定点観測をする数値の追加について提案をします。

▽Reason(理由)

数値を追加することで、営業の効率化が図れる可能性が高いと考えているからです。

▽Example(裏付け)

現在、営業部門において新規開拓率と既存客の離反率を軸に方針を決定しています。しかし、ここ1年のデータを洗い出したところ、訪問エリア及び回数が売上数値と密接に関わりがあることが分かりました。

▽Point(もう一度、結論)

そのため、次の会議では定点観測する数値にエリアと回数を追加することを提案しようと思います。

 

報告の際は「PREP」のさらに前に「何の件か」を伝えましょう。

いきなり本題の結論を伝えると「そもそも何の話?」となることがあるので気をつけましょう。

 

2−2.プレゼン編

プレゼンにおいてPREP法は絶大な威力を発揮します。冴えない人のプレゼンを聞いていると「この人は何のために話をしているんだろうか」と思うことがあります。

そして、そんなプレゼンは結構多いです。そのため、PREP法で明快なプレゼンを行えば、「プレゼン上手」と評価されます。

具体例は以下の通りです。

▽Point(結論)

営業部門の基本方針を「既存顧客のフォローアップ」とすべきです。

▽Reason(理由)

既存顧客のフォローアップがもっとも売上アップに繋がるからです。

▽Example(裏付け)

既存顧客は売上の70%を占めています。また、ここ3ヶ月にフォローアップをした顧客からの利益は20%アップしています。まだ、アプローチが十分でない顧客が半数を占めています。また、フォローアップをした顧客から「サービスが良くなった」というお声をいただいています。

▽Point(もう一度、結論)

上記の理由から、営業部門の基本方針を「既存顧客のフォローアップ」とすべきです。

 

プレゼンにおいては、数値や客観的な事実を入れると「データに裏付けされた骨太なプレゼン」という印象づけができます。

 

2−3.営業編

営業においては、顧客ニーズのヒアリングが大切です。そして、ヒアリング後の提案でPREP法を用いるとお客さんのニーズに沿った説明ができます。

▽Point(結論)

お客様のご要望に沿った商品はこちらのコードレス掃除機です。

▽Reason(理由)

こちらの商品は2台目として簡単な掃除の際にお使いいただくのにピッタリだからです。

▽Example(裏付け)

コンパクトで保管場所を選びませんし、コードレスのためコードの抜き差しの手間がありません。また、簡単な掃除であればバッテリー切れの心配もありません。さらに、他社製品と比べてこちらはただ1つ、吸引力が落ちません。

▽Point(もう一度、結論)

そのため、こちらのコードレス掃除機が一番おすすめです。

 

2−4.苦情対応に使っちゃダメ

万能に思えるPREP法ですが、苦情対応には向きません。

苦情対応は、聞く姿勢と相手の怒りを鎮めることが重要となるため、論理的な話の展開をすると「言ってることは分かるけれど、なんかムカつく」となりかねませんので、PREP法を使うことはおすすめしません。

 

3.PREPマスターになるための訓練法

ここまでPREP法の概要と具体的に使う場面をお伝えしましたが、実際に使うためには日頃の訓練が欠かせません。

野球のナイター中継を毎日見ているだけでは、ホームランも打てなければ、160kmのストレートを投げられないのと一緒です。

素振りをして、ピッチング練習をするから野球がうまくなるのです。

 

この章では、実際にPREP法を身につけるための鍛え方をお伝えします。

PREP法は意識した瞬間から伝わりやすくなる一方ですので、成長する自分を楽しみながら訓練していきましょう。

 

3−1.社内で鍛える

何と言っても使う場所で鍛えるのが一番です。社内であれば多少の失敗は大目に見てもらえることが多いです。

社内の人に話しかける時に次の2つを意識してください。

①相手に伝えたい話を明確に宣言する。

職場には、主語を明確にしないまま話を始める人が多くいます。

その理由は、自分が考えている案件は聞き手も同じ重要度で考えているという他力本願な意識が話し手にあるからです。

しかし、実際には同僚の仕事の優先順位を把握している人は少ないです。そのため、話のズレをなくすために話しかける時には必ず「何の話なのか」を伝えるようにしましょう。

話のズレがなくなります。

 

②次に「相手にどうしてもらいたいか」を伝える。

何の話をするのか宣言をしたら、次に「相手にどうしてもらいたいか」を伝えましょう。

仕事において話をする時は、必ずそこに明確な目的があります。

共有事項を知ってほしい、アドバイスをもらいたい、承認を得たい、など相手にして欲しいことを明確に伝えます。

 

上記2つはPREP法の最初の「Point」に当たります。

主語さえ決まってしまえば、あとは相手の疑問に答えるために理由や具体例を伝えざるを得ないので、強制的にPREP法が身についていきます。

 

3−2.プライベートで鍛える

プライベートでは、仲の良い友達や家族と外食先を決める時にPREP法を使ってみましょう。

プライベートなので、多少めちゃくちゃな主張になってもOKです。あくまで訓練として楽しみましょう。

イタリアンと中華料理が候補に出た場合は、次の通りです。

▽Point(結論)

俺は、イタリアンが食べたい。

▽Reason(理由)

最近、体重が増え始めたからこれ以上太りにくいものがいい。

▽Example(裏付け)

中華料理屋だとラーメン・チャーハン・餃子を食べた上にゴマ団子を食べてしまいそうだ。炭水化物ばっかりでしかも脂っこいから体に負担がかかり過ぎる。イタリアンであれば、コース料理で、前菜、お肉、炭水化物がバランスよく食べられて中華料理よりも太りにくい。ドルチェは君にあげよう。

▽Point(もう一度、結論)

だから、俺はイタリアンを食べたい。

 

3−3.読書で鍛える

読書での訓練は、いつでもどこでも一人でできるのでオススメです。

ビジネス本や実用書を読む際に以下のことを意識してください。

①この本の要点は一言でいうと何か。

②その要点の根拠は何か。

本は著者の主張を伝えるために書かれています。

そのため、必ず著者の主張が明確に記載されており、その主張を証明するために様々な根拠が示されています。

根拠は、理由・具体例・データなど様々な形で書かれています。

要点とその根拠を見つける眼を養うことは、自分が何かを伝える時に役立ちます。

さらにこの方法でPREP法を鍛えると相手の主張が論理的に正しいのか、根拠が明確なのか、意見を採用していいのか、などを判断できるようになっていきます。

情報に触れた時の取捨選択が容易になります。

 

4.まとめ

PREP法を身につけて自分の意見を伝えることができるようになると仕事がもりもりと進むようになります。

伝わらないストレスが無くなれば、どんどんアイデアが出てくるようにもなります。

考えていることをビシッと伝えて成果を上げていきましょう。

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