職場プレス編集長の石川です。
職場で「PDCAを回せ!」と言われてませんか?
それなのに「PDCA」ってなんだかよく分かっていないんじゃないですか?
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)というアレです。
業務の継続的な改善のためのサイクルです。
この記事では、PDCAを回すために意識すべき1つの考え方とそれを実践するための方法をお伝えします。
この記事を実践すればあなたもすぐにエリートビジネスマンになります。
目次
0.そもそも「PDCAを回そう」という意識が間違ってる
では結論からいきます。
「PDCAを回そう」という考えを捨ててください。
その代わりに「この仕事、成果を出すためにどうすれば良いかな」と考えてください。
これだけ意識すればPDCAサイクルは勝手に回ります。
PDCAサイクルは業務目標を達成するための「手段」です。
しかし、「PDCAを回せ」と言われると「手段」が「目的」となってしまい、毒にも薬にもならないPDCAサイクルが立派に完成します。
「なんかそれっぽいPDCA」を大事に抱えていても成果は出ず、「くだらない会議でのそれっぽい報告」にしか役に立ちません。
だからこそ「PDCAを綺麗に回そう」と思わないことです。
次の章からは、それぞれの段階において陥る罠と対処法をお伝えします。
1.Plan=計画は「イメージが湧きやすい言葉で」
計画段階で陥りがちなことはズバリ「計画が立てられない」ですね。
「完璧な計画を立てなければ!」という強迫観念が強いほど計画が立てられなくなります。
完璧主義の人が、初めて計画を立てる時は絶望的です。
やり方が分からない、なのに計画を立てなきゃいけない、でも失敗はしたくない。
結果は、「計画を立てない」です。
しかし、それでは仕事は前に進みません。
その対策として計画を立てる時は「目指すべき成果に必要な具体的な行動を挙げる」
この時に意識するのは「行動のイメージが湧く具体的な言葉」です。
検討、調整、確認などはダメです。
× 販売価格を検討
◯ 販売価格を決める
× 取引先とのスケジュール調整
◯ A社との販売価格会議の日程をX月X日にする
× 部長に計画の方針を確認
◯ 部長に計画の承認の決裁をもらう
などなど。「どのタスク」が「どんな状態」になったら業務が進んだと言えるかを考えましょう。
それができたら具体的な行動が「いつまでにできている必要があるか」を考えて、タスクをスケジュール帳に書き込めばOKです。
余談ですが、「計画を立てるのがめんどくさい」という人は「甘ったれてないで、とにかく計画立てろ」しか言えません。
頑張れ。
2.Do=実行は「とにかくやる」
さて、計画を立てたはいいけれど、「実行できない」のがこの段階での落とし穴です。
これは単純明快な答えがあります。
「とにかくやりましょう」
と言われても、「何を初めていいか分からない」かもしれません。
そんな時は「計画段階でまず一番はじめにやる絶対に出来ることを決める」
「ベイビーステップ」とも言います。
例えば「上司への営業報告の書類作り」の計画を立てたとします。
その場合、最初にやることを「パソコンの電源を入れる」にしてみましょう。
ここを「先月の営業活動の洗い出しをする」というタスクにすると、途端に「あぁ、めんどくさい」となります。
しかし、「パソコンの電源を入れる」であれば、どんな状態の時にもできます。
「めんどくさい」と思いそうなタスクはベイビーステップにしましょう。
ちなみに「計画が立ってないから実行できない」という場合は、15分以内で粗い計画を立ててすぐ実行してください。
必ず仕事が進みます。計画を立てずに実行すると後々に「何を振り返っていいのか分からない」という最悪の状態になります。
3.Check=評価は「冷静に、かつ、論理的に」
評価の段階では2つの陥りがちな罠があります。
「振り返らない」「感情的にダメ出しをしてしまう」の2つです。
では、一つずつみていきましょう。
3−1.振り返らない
「何をバカな」と思うでしょうが、結構やりがちなのが「振り返らない」です。
この段階では成果物は出来上がっているため、評価は業務の必須項目ではなくなっています。
言い換えると「今すぐやらなくても短期的には業務に支障がない」かつ「この評価の時間を新たな業務のために使うことができる」のです。
しかし、振り返りをやらないと次に同系統の業務をやる時に今回の反省を活かすことができず、同じ程度のクオリティの仕事しかできなくなります。
そんな状態を避けるためには「計画段階で振り返る日をあらかじめ決める」
いかに忙しくてもそれを死守する。ここは歯を食いしばって残業してでも必ずやるべきです。
ここで頑張れば次回にもっと良い仕事ができるので、なんとか踏ん張りましょう。
こうすることで、短期的には無駄と思える「振り返る時間」を確保できます。
3−2.「ダメ出し」を振り返りとしてしまう
「あれができなかった、これが足りてなかった」という後悔を「振り返り」としてしまいがちです。
しかし、この評価の方法は間違いです。
振り返りとは「事実」を取り出して「成果」という軸で評価することです。
感情を排除して、事実を事実のままどうであったかを考えましょう。それが評価における論理的な考え方です。
出来た部分はさらに磨きをかける。
出来なかった部分は出来るようになるための具体的な行動を考える。
あるいは出来なくて何が困ったかを考える。何も困らなかったらそれは削除してよいタスクになります。
業務なんて思った通りにいかないことだらけなので、悲観する必要はないんです。
出来なくて当たり前、少しでも出来たら自分を褒めちぎる。その上で、次にやる時にもうちょっと出来るようにするために考えることが正しい評価です。
4.Action=改善は「評価を活かす」
ここまできたらほぼゴールです。
「評価で見つけた改善点を『行動』として次の計画に盛り込む」だけ。
例えば、1ヶ月の営業活動の振り返りはこんな感じです。
▽計画(Plan)
目標:100万円の予算を達成するために新規顧客で30万円、既存顧客で70万円の売上。
行動:新規顧客獲得のため、訪問営業を90社行い、10万円の案件を3社、30万円。
また、既存顧客20社のルート営業で、20万円の案件を2社、10万円の案件を3社、70万円。
1週間あたり、新規30社・既存6~8社訪問する。最後の1週間はクロージングのため、2度目の訪問を行う。
まずやること(ベイビーステップ):訪問先リストを作成するために月曜日の9時にパソコンの電源をオンにする。
▽実行(Do)
計画で決めたことをやる。
▽評価(Check)
新規営業が目標90社に対して60社、売上が10万円を2社、20万円。
既存顧客のルート営業は20社に対して20社を達成、売上は30万円の案件2社、10万円の案件1社、計70万円。
トータルで100万円の目標に対して、90万円と10万円の未達だった。
新規については3週目以降に既存顧客の対応に時間を使ったため、行けなかった。
既存顧客については相手先は狙った5社ではなかったものの、新商品の提案が採用されて見込んでいた単価を上回り、売上目標は達成した。
▽改善(Action)
来月は、既存顧客への新商品提案資料をテンプレート化して、説明時間と対応時間の短縮を目指す。
そこで時間を作り、新規営業を90社に設定して、100万円の売上を目指す。
粗めですが、実際に行動出来るのでこの程度でOKです。
あくまでも「売上予算を達成する」という目的のためにPDCAという手段を用いることを忘れないようにしてください。
5.具体的に何を心がけてやるべきか?
ここまでは、概論を述べてきたのですが、いざやろうとすると「やはり出来ない」ということもあるかもしれません。
この章では具体的に行動するために心がけることをお伝えします。
5−1.目指すべきは「60%」
PDCAサイクルを回すためには完璧を求めないことが重要です。
行動出来る計画でとりあえずOK
計画を100%実行出来なくてもOK(というか100%出来るならPDCAがなくても仕事が出来る人)
評価は甘めにしてOK
改善はとりあえず1個でOK
100%なんて目指したら考えすぎて行動が止まります。
とことん自分を甘やかしてまずは成果物を作りましょう。
余談ですが、何も考えずにやるタイプもPDCAが苦手です。やりっぱなしになるから。
こういう人は、計画・実行までは早いので、「評価」に意識を向けるようにしてください。
5−2.効率なんか考えずに、とりあえずやる
昨今の仕事術では、何かと「効率」を求められます。
ですが、はっきり言って効率なんて求める必要はありません。
なぜなら、効率とは全ての時間と労力をつぎ込んで圧倒的な量をやっている人が、どうしてもさらに成果を求めるために無駄を削ぎ落としていく行為だからです。
実力がないうちに効率を求めると、しょぼーい成果物で満足するようになってしまいます。
そうならないためには「計画」を立てたらとにかく「実行」をすることです。
途中で、「あれ、あんなやり方もあるのか。ちょっと考え直して見ようかな」とか思うとすぐに手が止まってしまいます。
そんな振り返りは成果物を出した後に「評価」のタイミングでやればいいんです。
とにかく行動を止めないことを心がけましょう。
6.まとめ
計画はイメージが湧きやすい言葉で。
実行はとにかくやる。
評価は冷静に、かつ、論理的に。
改善は評価を活かすように。
冒頭でお伝えした通り、PDCAサイクルは、仕事の成果を目指すための手段ものです。
そこを履き違えずにやれば必ず仕事で出せる成果が大きくなります。
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