職場で部下指導に使える『ヤバすぎる心理学』7選

こんにちは、職場カウンセラーのイシカワです。

職場で部下や後輩を指導する立場に置かれ、熱心に指導しているにも関わらず、思うように部下が働かない、という状況は至るところで目撃されます。

もし、あなた自身がその状況なら確実に、部下の心理をまるで分かってない、ということです。

おそらく、部下同士の飲み会でボロクソに言われていることでしょう。

 

そのような状況を脱するべく、この記事では内藤誼人著『ヤバすぎる心理学』(廣済堂出版、2017年)から厳選した7つの部下との接し方をお伝えしていきます。

「おっ、あの人は分かってくれる」と言われるために学んでみましょう。

 

1.部下がまったく俺の経験談を聞かない

良かれと思って自分の経験談を部下に話していませんか?

しかも、自分がやった通りに実践することを部下に強要していませんか?

「経験を積めば能力がUPする」はウソ。ダメな人はいつまでもダメなまま

 

あなたに能力があったとしても、部下自身があなたと同じやり方で成果を上げられたり、成長できるとは限りません。

あなたが成功した時とは環境が違うので、成功体験を押し付けたところでうまくいく見込みは薄いものです。

さらに部下に能力がなければいかにやらせようとしても、そもそも経験を伝えてその通りにやらせて見てもうまくいきっこありません。

これを回避するためにはとにかく目的とゴールを伝えてあとは部下に任せてみることです。

部下自身の頭で考えて行動させることが、部下の能力を高めて成果を上げるための最も良い方法です。

そのため、あなた自身の経験談を聞かせようとするスタンスとはお別れしてみましょう。

 

2.ボソボソ喋る部下をなんとか変えたい

あなたがハキハキ喋る社交的な人であれば、うつむき加減でボソボソと喋る部下は、なんだか暗くて冴えないように見えると思います。

特に営業職や接客業の場合、そんな部下を変えようと必死になって「笑顔でいろ」「はっきりと語尾までちゃんと話せ」などと指導することもあるでしょう。

残念なお知らせがあります。

その部下はいくら指導しても変わりません。

性格は簡単には変わらない。特に内向的な性格は一生変わらない

 

先天的な性格は変わらないそうです。

それどころか職場において無理やり部下を変えようとすると信頼関係が損なわれ、モチベーションが下がり、最終的にはパワハラ上司としてのレッテルが貼られます。

内向的な部下の今できている部分にフォーカスしてください。

そしてその部分を認めてあげて活躍することを期待している、と伝えましょう。

社交的なあなたからは暗くて人生つまらなそうな部下ですが、彼にも喜怒哀楽があり、モチベーションも持っています。

ただ、その表現方法があなたとは違うだけなのです。

 

3.どれだけ熱意を伝えても部下がノッてこない

あなたが情熱的に物事を語っても部下がノッてこないことがあると思います。

それ、無理やりテンションを合わせようとしても逆効果です。

組織の中で、リーダーシップほどいらないものはない

 

ゴリゴリ系のリーダーシップは物事が進む反面、摩擦を生むため部下のモチベーションはみるみる下がっていきます。

ぐいぐいとチームを引っ張っていくのではなく、十七条の憲法のように「和をもって貴しとなす」の精神で、部下が動きやすい環境づくりに意識を向けるようにしましょう。

 

4.主体性がない部下にもっと主張させたい

部下が自己主張をせず、指示待ち人間になってしまっているため、主体性をもたせたいと悩んでいませんか?

「自分の意見を言ってみて」と伝えてもあなたの意に沿うようなことばかりを言うようであれば、「主体性をもたせたい」という悩みはいますぐ捨ててください。

「自己主張」を磨く人ほど、実は出世できない

 

部下の評価は上司がするものです。そのため、部下は上司の顔色を伺いながら仕事をしています。

部下は主体性をもっていないのではなく、「円滑に業務を仕事をしたい」という願いを持っています。

そのためには、上司であるあなたの顔色がもっとも重要です。

つまり、そのような部下はあなたの意見を尊重しようとしてくれるいい部下なのです。

考えてみてください、「自己主張をしろ」と伝えたら、あなたにとって耳が痛い話をズケズケと言ってくる部下を可愛がれるでしょうか。

自分の器が人と比べて何倍も大きい、と思うのであれば自己主張をさせれば良いですが、人並みだと思うのであれば、せめて部下がストレスなく仕事ができる環境を整える、ということに意識を向けた方が良いですね。

 

5.愛想はいいが、あいつ、何を考えているんだか

あなたは不言実行の職人タイプだったり、仕事のために持ち味だったひょうきんさを出さないように我慢している人ですか?

そして、なんだかノリが軽くて、いつもヘラヘラ、上っ面だけで真面目に仕事をしているようには見えない部下はいますか?

そんな部下に腹を立てて「もっと落ち着きをもって仕事をしろ」「気を引き締めてやれ」と指導していませんか?

それ、彼の持ち味を殺しています。

「うわべだけの付き合い」のほうが、人間関係はうまくいく

 

難しい顔をして寡黙に真面目に仕事をして出来のいいものを出せば評価される、というのは幻想です。

職場においては他社も含めて良好な関係の人脈が、仕事の質や量に影響を与えます。

ヘラヘラしているように見える部下はおそらくあなたが考えているよりも広い人脈を作っています。

そのため、彼にはそのままでいてもらいその人脈を大いに活用して一緒に仕事をしましょう。

持ち味を殺してやらせてみてもパフォーマンスは下がる一方です。

 

6.「自由に話していいよ」と言っているのに全然いい意見が出てこない

新たな業務や業務改善のために自由に意見やアイデアをヒアリングしても全く話がまとまらず、意味のないものになってしまうことはありませんか?

それもそのはずです。

ブレストをいくらやっても、よいアイデアは絶対に生まれない

 

軸がない中で自由に話し合っても何も決まりません。

会議は脱線し、海に向かっていたのに、到着したのは山だった、という事態になりかねません。

「会議は踊る、されど進まず。」と言うやつですね。

複数人のアイデアを拾いたいのであれば、自由に意見を言わせるのではなく、方向性を定めて事前に練った意見を出し合うのが良いでしょう。

また、闇雲にブレストをやるのではなく、次第(アジェンダ)を用意して脱線を正せるようにしておきましょう。

 

7.しっかり休んでいるのに月曜日はミスをしがちなあいつ

部下の体調管理に気を配るのも上司の仕事です。

土日祝日をきっちり休ませてるのにど頭の月曜日からミスをやらかすあいつをどうすればいいか分からない、と悩んでいませんか?

ゴールデンウィークや盆暮れ正月も休ませると必ず、エンジンがかかるまでに1週間かかる、ということがありませんか?

というか、あなた自身がそうではありませんか?

十分な休みをとったあと、人は調子が悪くなる

 

ちょっと悲しい事実ですが、休みを十分にとると通常のコンディションではなくなってしまいます。

そのためには、休日であっても仕事のことを考えるのが有効です。

あなた自身が心がけるのであれば、出勤日の前日に資料やタスク整理を10分だけしてみましょう。そうすることで明日からのイメージがついてきます。

職場に着いてからエンジンをかけるのではなく、あらかじめエンジンをかけておきましょう。

部下へのアプローチとしては、「休みの日に仕事で役に立ちそうなことを体験できたら教えてくれると嬉しい」と伝えておきましょう。

「仕事をしろ」と言ってみても、どうせやりませんし、嫌々やったとしてもモチベーションを下げるだけです。

かと言って何も言わないと失敗が起こりやすい。

 

強要しない形での意識付けが上記であげたアプローチです。

体験できたら・・・受動的

教えてくれると・・・主導権は部下

嬉しい・・・ただの自分の主観

こうしておくと、あなたが相当嫌われている、または部下が相当やる気がない、と言うことがなければ、部下自身は何かを経験した時に仕事を意識するようになります。

そうなれば、強制をしなくても休日にも部下に仕事を意識してもらうことができるようになります。

 

パワハラ上司にならないために(まとめ)

部下指導は自分が言うことをとにかく聞かせればいい、というものではありません。

また、良かれと思ってやっていることでも、部下側からみると「パワハラ上司」「何にも分かってない」と思われているかもしれません。

まずは、自分が行っている部下とのコミュニケーションを振り返って、効果的ではない部分を徐々に直していければ、「分かっている上司」「しっかりと指導してくれる人」と部下からも信頼される上司となっていけます。

他人を無理やり変えることはできませんが、変わるきっかけを与えることはできます。

そのためには、まずはあなた自身が変わるのが一番の近道です。

 

 

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